「限られた予算の中で、どれだけの事ができるか?」この事は建物を建てる上で大変重要なポイントとなります。
しかし、建築工事費というのは、かなり複雑になっており一般の人にはわかりにくいものです。木造の住宅ですと基礎工事、材木、大工工事、屋根工事、左官工事、タイル工事・・・と20種類の工事代金の積上げで構成されています。しかも、物によっては一ついくら、工賃が一つにつきいくら、または、材料と工賃が複合になって一ついくら、1平方メートルいくら、と均一の設定ではありません。
通常、建設会社、工務店の工事見積書は、各種工事の金額に利益や経費が含まれている事が多いのです。また、建築業界の慣例として、家の価格は工事費を工事面積(坪数)で割った坪単価で表示していますが、根拠となる工事内容や質がはっきりしなければ価格が高いのか、安いのか、判断に困ります。その上建設費「坪○○万円」という中には「キッチンは別」「外部設備工事は入っておりません」等、全ての工事金額ではない事がよくあります。
私の事務所では、建設会社や工務店を通さずに直接、各職人さんに工事を発注しています。無駄なコストを除き製品や材料の定価や仕入価格を明示し、一般の人にもわかり易い工事費の見積書を提示するようにしています。営業経費や建設会社としての経費は一切かかりませんからお客様の予算は全て現場で使えるのです。
また私の設計を熟知している職人さんが仕事を進めるので安心で適正なコストでつくる事が可能です。以前に私の設計した建物を、お客様の知り合いの建設会社で見積をしたことがありました。結果は、30%以上金額に開きが出ていました。仮に30%の金額を上乗せして建設会社に依頼しても満足のいく建物にはならなかったのではと思います。